【共同リリース】「D-LIFEPLACE札幌(旧・札幌第一生命ビルディング建替計画)」 新築工事に着工

~エリアマネジメント組織との共創による体験価値の創造と人々のQOL向上、地域活性化への貢献〜

 第一生命保険株式会社(本社:東京都千代田区、社長:稲垣精二、以下「第一生命」)、株式会社竹中工務店(本社:大阪府大阪市、社長:佐々木正人、以下「竹中工務店」)及び札幌駅前通まちづくり株式会社(本社:北海道札幌市、社長:芳村直孝、以下「まち会社」)の三者が一体となって計画検討を進める旧・札幌第一生命ビルディングの建替計画(以下「本プロジェクト」)について、このたび新築工事に着工し、本格的にプロジェクトが始動しましたのでお知らせします。

 2020年11月に閉館した先代の建物は、64年間にわたり、札幌都心のメインストリートに立地するオフィスビルとして、入居企業や地域の発展を支えてきました。新施設(名称:D-LIFEPLACE札幌)の竣工は2023年5月を予定しています。今後も第一生命、竹中工務店、まち会社が一丸となって、次代のビジネス拠点づくりに取り組んでまいります。

外観イメージ(札幌駅前通側)
外観イメージ(札幌駅前通側)

<本プロジェクトのコンセプト・推進体制>

■ 新施設の概要

 新施設は、地下1階・地上13階建て、最高高さ約60m、延床面積約4,800坪の規模で、地下鉄「さっぽろ」駅直上の交差点に新たなビジネス拠点を整備するものです。以下2点が主な特徴となります。

【特徴①】 地下(チ・カ・ホ)と地上(札幌駅前通)をつなぎ、自然の温もりと人々の活力が感じられる、地域に開かれたオープンスペース(屋内広場)の創出・活用

オープンスペース内観イメージ(チ・カ・ホ接続部側)
オープンスペース内観イメージ(チ・カ・ホ接続部側)

 2011年開通のチ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)は、1日に約12万人(*1)が往来する札幌都心の大動脈であり、本プロジェクトはその玄関口となる札幌駅側の起点に位置しています。その場所に、自然の光や緑が感じられる快適なオープンスペースを接続し、施設利用者や来街者、札幌市民の方々へ、新たな賑わい・憩いの場を提供する計画としています。
 災害時においては、このオープンスペースが避難者の受入場所(収容人数約100名、72時間の非常電源対応)として機能する計画としており、札幌市の目指す強靭な地域づくりにも寄与します。

【特徴②】 北海道の気候に呼応する建築デザインを通じた、高水準の環境・ウェルネス性能の確保

外観イメージ(札幌駅前通側・冬期)
外観イメージ(札幌駅前通側・冬期)
高層階リフレッシュスペース内観イメージ
高層階リフレッシュスペース内観イメージ

 北海道では、冬期における屋内から屋外への熱のロスを抑制することが環境性能向上のポイントとなるため、高層階の窓は、開口面積を抑えつつ、快適な居室環境(光・眺望)が確保できる縦スリット型の形状としました。併せて、構造計画の工夫(外殻ダブルコラムの採用等)により、オフィス専有部は窓側に柱型がなく、レイアウトのしやすい設えとしています。一方で、高層階の共用部には、オープンな設えの階段と一体となった明るく開放的なリフレッシュスペースを設けるなど、ワーカーのコミュニケーションや健康増進、多様化する働き方への対応を意図した計画としています。この様な建築デザインにより、新施設は「CASBEE-スマートウェルネスオフィス(Sランク)」及び「ZEB-Oriented」に相当する高水準の環境・ウェルネス性能を確保しています。
 また、第一生命は、「RE100」(*2)加盟企業として、本プロジェクトにおいても再生可能エネルギー由来の電力調達に向けて具体的検討を進め、保有不動産における消費電力の再生可能エネルギー化を推進します。

<新施設の環境・ウェルネス性能(今後認証取得申請を予定)>

■ 共創による新たな体験価値の創造に向けて

 まち会社は、チ・カ・ホや札幌駅前通において豊富なイベント運営実績を有していますが、歩行者空間の確保や音の問題から、利用可能なスペースに制約があることが課題となっていました。新施設のオープンスペースでは、地下(チ・カ・ホ)と地上(札幌駅前通)をつなぐ劇場型の空間構成を活かした新たなスタイルの地域イベント(アート・ライブイベント等)が開催可能となります。これに加えて、第一生命・竹中工務店もそれぞれのリソースを活かし、開業後の活用策(入居テナントとの協業、「健築®︎(*3)をテーマとした健康支援プログラムの実証実験等)を継続的に検討・実施していく予定です。
 また、開発段階においても、工事現場の仮囲いの活用(2021年7月~:新施設低層部の形状を象ったウォールアートの掲示、2021年12月:「Sapporo Parallel Museum」(*4)の情報発信)も行っています。
 本プロジェクトでは、こうした取組を通じて、来館者や周辺地域の方々に新たな体験価値を提供し、人々のQOL向上や地域活性化に貢献していくことを目指します。

オープンスペース内観(札幌駅前通より)
オープンスペース内観(札幌駅前通より)
工事仮囲いの活用状況(ウォールアート等)
工事仮囲いの活用状況(ウォールアート等)

■ 開発協議プロセスのアーカイブ化と他地域への展開

 本プロジェクトは、2020年度に見直しが行われた「札幌駅前通北街区地区 地区計画」に新設された容積率緩和ルールを適用した最初期の開発案件であり、協議の進め方・体制の整備と並行して、これを実施してきました。今回は特に、開発検討委員会(*5)の協議において、地区計画と札幌市景観計画の審査ステップを相互に関連づけて進めることで、行政機関、有識者委員、まち会社、事業者間での建設的な意見交換や、地域ニーズを踏まえた計画案の見直しが可能となりました。まち会社では、本事例のアーカイブ化を通じて、今後の協議プロセスの定着・高度化や、他地域への普及活動にも取り組んでいます。

*1:チ・カ・ホ北端(地下鉄「さっぽろ」駅側)に設置された人流センサーにより計測(2020年1月5日~12月30日の平均値)。
*2:事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的なイニシアティブ。第一生命は2019年8月に加盟。
*3:竹中工務店・千葉大学予防医学センターによる、健康な空間づくりや行動プログラムに関する共同研究。
*4:まち会社、札幌駅前通の沿道企業等が参画する札幌駅前通地区活性化委員会が主催し、街中の現実空間(札幌駅前通沿道の建物等9カ所)とWeb上の仮想空間でアート作品を展示するイベント(会期:2021年12月3日~12月12日)。
*5:まち会社が事務局を務める札幌駅前通協議会に設置された、当該地区における開発案件の審議会。

<計画概要>

計画名称 D-LIFEPLACE札幌(旧・札幌第一生命ビルディング建替計画)
所在地  札幌市中央区北三条西4-1
敷地面積  約380坪
延床面積  約4,800坪
規模  階数:地下1階・地上13階建、最高高さ:約60m
構造  鉄骨造(一部SRC造・RC造)、耐震等級2(基準強度×1.25倍)
主要用途  オフィス(2階〜13階)、店舗(地下1階〜地上1階、計3区画)
駐車場  3台(うち荷捌き用2台、車いす利用者用1台)*別途隔地駐車場34台
非常用発電機  315kVA(防災用+保安用(オープンスペースの避難受入))*別途増設スペースあり
設計者・施工者 設計:竹中工務店、施工:竹中・岩田地崎・伊藤共同企業体
工期  着工:2021年12月 〜 竣工:2023年5月(予定)

<オフィス貸室概要>

貸室面積 総貸室面積:約3,300坪、基準階1フロア当り貸室面積:約280坪(3階~13階)
天井高さ・OA床高さ 天井高さ:2,800mm、OA床高さ:100mm
照明計画 全館LED、机上面照度:約600lx、色温度:4000K
コンセント容量  60VA/㎡
受電方式 高圧2回線受電(常用+予備電源)
空調方式 空冷ヒートポンプパッケージマルチエアコン(寒冷地仕様・冷暖フリー)
換気方式  全熱交換器(機械換気)、換気性能:30㎥/h・人
消火設備  全館スプリンクラー対応

※本資料中の記載・イメージパースについては、計画段階のものであり、今後変更が生じる可能性がございます。

<周辺地図>

プレスリリース

20211206プレスリリース.pdf
PDFファイル 1.9 MB